新・東京イラストJournal

イラストレーターさくらみの日常絵日誌

初めての「世田谷ボロ市」は灯の中

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「世田谷のボロ市が、もうすぐある」

…と聞いたとき、

 

これは見に行かなくっちゃ!と

思いました。

 

でも、ボロ市って一体、

何を売っているのでしょうか?

 (素朴な疑問)

 

ワクワク♪

さあ、行ってみましょう!

 

 

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こんな寒いのに、

そして、真っ暗になってきたのに、

人がぎっしり!!!

 

…と思っていたら、店先に座っている

店番の方達が

「だいぶ人出が落ち着いてきたねえ」

とのこと。

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そっか、これでもそうなのね。


やがてメインストリート、その名も

ボロ市通り」に出たときには、

もう人が多すぎて、何がなにやら…

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何が売られているのか、

どっちに行けばいいのか、

まったくわからない状態に。

 

でも… なんか、すごく、楽しい!

  

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売られているものは…

 

骨董、刀剣、着物、茶器、仏像…

いわゆる昔ながらの日本のものに、

  

今どきのオシャレなカフェ風の食器や

インテリアグッズ、

 

古着、靴、ベルト、マフラー、

マカロニウエスタンスターウォーズ

 

電子レンジに、扇風機、毛玉とり、

 

昔ながらのおもちゃ、

刻印、

 

植木や盆栽、金魚や亀などの生き物、

 

ホカホカの食べ物、ワイン、お酒、お漬物、

 

そして新品の「神棚」を売るお店も…。



山ぶどう

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…のカゴ、

19,000円は、

安いのかしら? 高いのかしら?

きっとかなりの大特価ですね。

 

 

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よく分からないけれども、

とても自由。

買う方も、売る方も。

 

ランプの明かりの中で、

真剣に何かを探している人もいれば、

雰囲気を楽しむだけの人もいる。

 

ここには、きっと、大人も子供も、

おじいちゃんもおばあちゃんも、

外国の人も、

何かを見つけに来ているのね…

 

闇市、のようでもあり、

由緒正しきお正月市、のようでもあり、

 

夢幻燈の明かりの灯る店先が、

どこまでも、どこまでも、続いています。

 

空気に呑まれるように、

私もフワフワと遊泳しました。

 

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しかし…

 

やっぱり寒い!

めっちゃ寒い!

 

なのに、人は一向に減る気配がなく、

むしろ、寒さを楽しんでいる?

 

何しろ、開催される期間は

12月と1月、真冬だけなんです。

 

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行列のできていたホカホカ屋台、

「中華おやきシャーピン」の屋台で

私もシャーピンをゲット。

 

説明には「ひき肉とニラとおだしの

あんをこねて、寝かせて、

小麦粉でくるんで焼き上げた」とのこと。

 

ホカホカの袋を両手でくるむように持ち、

ハフハフといただきました。

 

おいしいよ〜♪

 

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やがて目にしたこの立派な門は、

昔の「代官屋敷」。

 

本物です。

 

開いているみたいなので、

喧騒を抜け出して中に入ると…

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代官屋敷の屋根の向こうに、

静かに、お月さまがかかっていました。

 

 

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奥には、「世田谷区立郷土資料館」

の入り口が。

 

そう、ここ! 引っ越しする前から

ずっと行こうと思っていた憧れの場所。

 

暖をとるためにも、グッドタイミング!

 

中に入ると、まず目を引いたのが

 

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昭和29〜30年代の世田谷区の風景でした。

 

特に、たくさんの人が

見入っていたのがこちらの写真。

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昭和29年の写真

 

 

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この子供達の格好や表情…

なにげなく置かれた自転車、

ぎゅっとつかまれます。

 

「中華そば、ワンタン、

 きつねそば、うどん」…

この食堂にも入りたくてたまらなくなり

ますね。

 

他にもいろいろ、興味深いコーナーが

あって、ツボを刺激されましたが、

今日はボロ市優先。

 

ここで、昔のボロ市の風景をどうぞ。

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ワイワイ、ガヤガヤ…

「兄さん、その笠、ちょっと見せとくれ」

「おっと、危ねえ! 気をつけなよ!」

「なぁ、おじいちゃん、あの笛買うて」

 

 

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「さあさあ、採れたてだよ、買った、買った!」

「ねえ兄さん、もう少しまけておくれよ」

「よっしゃ! 一個15銭、二個なら22銭で

 どうでぃ!!」

 

売られているものは、

野菜にめざし、包丁に、火箸…

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ざる、かご、ひしゃく…

みんな昔の生活必需品ですね。

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そして、とても大切だった、

火打ち石、明かりも。

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ボロ市」は、戦後に、

「ボロ布でも飛ぶように売れた」

というところから有名になった名前ですが、

明治の頃からすでに「ボロ市」という名前

だったそう。

 

それより昔は、普通に城下町で、必要なものが

売られていた市だったんでしょうか。

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441年目。

江戸と小田原の中継地「世田谷宿」に

北条氏が、「伝馬」確保のために

始めた「楽市」。

 

しかし、豊臣秀吉の「小田原征伐」で、

北条氏が没落。

(ここで『真田丸』で北条氏政を怪演していた

 高島政伸さんの顔がよぎる)

 

さらに、徳川家康が江戸に移り、

北条氏の家臣だった吉良氏の

「世田谷城」が廃止されると、

楽市も衰えたが「農具市」として細々と存続。

明治になって賑わいを取り戻し、以来、

現代では、朝から晩まで大にぎわい、と…。

 

私も初めて参加できました。

 

ちなみに、私の買ったものは、

手をあたため、心をあたためてくれた甘酒と、

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美味しかった中華おやきシャーピンと、

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こちらの塗りのスプーンたちです。

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一本、100円〜200円くらいでした。


 

ひとつ思ったのは、

初めてボロ市に行くなら、やっぱり日中、

明るい時間がいいなあということ。

 

きっと、そのほうが、

何が売っているかよく分かって、

ずっと欲しかったものとも、

ちゃんと目が合って、

運命の出会いを果たせるかも…

 

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世田谷ボロ市、次回は、新年の

1月15日・16日に開催ですよ〜。

時間は、朝の9時から21時まで。

 

 

あったかくしてお出かけくださいませ。