久しぶりに、懐かしい駅に
降り立ちました。
この木の屋根!
私が子供の頃から
全然変わってないような気がする〜!
生まれてから数年は、
おそらく父母に抱っこされて、
(あるいは兄と手をつないで)
家に帰るためにときどき通った駅舎。
小学生の後半は、引っ越した町から
ランドセルを背負って
大好きなよっちゃんと一緒に
毎日この改札を通った。
(電車通学の片道は45分)
中学のときは、さすがに他の駅から
通うことになるだろうと思いきや、
校舎の建て替えがあって、
またも、この駅が通学路になり、
(多感すぎる青春の時期よ…)
大学のときは、
父の入院の付き添いで、
この駅にしょちゅう降り立って
(忘れられない…)
もうね、とにかく、
思い出がいっぱい。
「御茶ノ水駅」の聖橋(ひじりばし)口。
ここだけ、取り残されたように、
ずうっと変わっていないのは、もはや奇跡。
あまりにも細胞に刻まれてしまったので、
34才のときには、
この出口から1〜2分のところに
個人事務所を借りてしまいました。
(子供の頃よく遊んでいた
太田姫神社さまでお願いしたら、
嘘みたいに家賃が安い優良物件が
出たのでした。
今考えても、ほんとに不思議です)
思えば34才は、
私にとっていわゆる
「人生のターニングポイント」で、
いろいろなことがあって、
ニューヨークから帰ってきて、
ものすごく心が凍えて、
弱っていた時期でした。
あらゆることを、全部ゼロから
やり直すしかなかった時期。
そんなとき、
「もう一度、人生がんばろう!」と
立ち上がるのに、力を貸してくれたのが、
私にとって特別なこの場所、
懐かしいインスピレーションをくれる、
この駅、この場所だったのです。
ああ、でも…
橋の上から見ると、
一目瞭然なのですが、
今、御茶ノ水駅では、
ものすごく大掛かりな改修工事が進行中です。
「古くて小さい聖橋口」は、間もなく、
跡形もなく消えて、
「近代的でおしゃれな聖橋口」へと
姿を変えるでしょう。
交通の要所でもある「御茶ノ水駅」の
聖橋口だけが、なぜか今までずっと、
小さくて古かったのですから、
変わるのを心待ちにしている人の方が
多いかもしれません。
工事は、とても丁寧に、そして大胆に
進められているようです。
耐震性や、神田川の風景なども
考慮されて、新しい時代に向けて、
生まれ変わろうとしているんですね。
そう、形あるものは姿を変えてゆく。
時の流れは、いかんともしがたく。
ふるさとの風景は、移りゆきます。
でも、変わらないところも少しは…?
(境内にオシャレなカフェ&
江戸みやげどころができていてビックリ。
「商売繁盛」で有名な神さまですからネ…)
↓
(こちらは孔子像で有名な湯島聖堂。
《注:もと昌平坂学問所。湯島天神とは違います》
ここは相変わらず、ガラ〜ンとして、
いさぎよいほど、何も無かったです。
しぶい、黒塗りの門!〕
(ニコライ堂は、
ワテラスのビル群に、空を
奪われてしまった)
太田姫さまの前の
クスノキの所まで来て…
ほっ。
変わりゆく東京。移りゆくふるさと。
でも、ふるさとよ。
私の魂は、ここに来ると、震えます。
小さな道の幅ひとつ取っても、
この身体が覚えてる。
ここが原点だよって、町の空気が
教えてくれる。
だから、大好きです。
これからもずっと…
ありがとう。