新・東京イラストJournal

イラストレーターのさくらみの日常絵日誌

何かが足りない…が分かったとき-2

(その1)の続きです。

 

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「無意識の整え方」前野隆司著 ワニプラス刊

 

「無意識の整え方」って

良いタイトルですよね。

 

内容は、

「無意識」のエキスパートの前野隆司教授が、

僧侶、医師、合気道、森の達人の4人の方と

対談をしながら、「無意識の整え方」を

探っていくというものです。

 

www.wani.co.jp

 

 

この本によると、

どうも人間のDNAには、太古の昔、

森で暮らしたときの記憶が残っていて、

森に入ると、安心のスイッチが入るように

できているようなのです。

 

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北の丸公園、以下同)

 

中でも、

「株式会社森へ」の代表取締役

山田博さんとの対談が

とても興味深かったのですが、

 

山田さんは、もとは株式会社リクルート

お勤めのバリバリのビジネスマンで、

その後その経験もいかして「コーチング」の

お仕事をされていたそうです。

 

コーチングとは、簡単にまとめると、

「クライアントさんが、自分の目標や夢に

 向かって、自分の足で歩けるよう、

 対話を通してサポートする」

というようなお仕事。

 

コーチング」をすると、クライアントさんが

自分一人ではほどけなかった思考を

整理できて、だんだんと前向きに

なり、イキイキと元気になってくるそう

なのですが、

 

でも、その向こうに、どうしても消せない

「そこはかとない不安」の影が残っている

ことに、あるとき山田さんは、気づいた

そうです。

 

どうしたら、その不安まで

解消してあげられるんだろう…

 

…あるとき、なんとなく思いついて、

ご自分が子供の頃に遊んだような「森」に

クライアントさんたちを誘いました。

 

そして、森の中で

それぞれが一人になる時間を設けてみたり、

夜は焚き火をしたりして、

ときどき、その中で対話を続けてみたら…

 

最初は不安そうだった

クライアントさんたちの表情が、

終わる頃には、見違えるようないい顔に

なっていたそうです。

 

聞いてみると、

「なんだか安心できた」

「この先も大丈夫な気がする」と。

 

つまり、理由はわからないけれど、

森に入ること「だけ」で、

何か、絶大な効果があり、

何もしなくても、クライアントさんの心に

大きなプラスの変化が芽生えた…

 

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このくだりは、私も、

北の丸公園の雑木林に入るたび

「何故かわからないけど、

 なんか安心できた!」

という気持ちになるので、

すごく共感できたのですが、

 

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とにかく、クライアントさんたちの

森での変化を見た衝撃から、

山田さんは、「コーチング」をやめ、

「森で過ごす時間」を、個人や会社に経験

してもらうプログラム(森のリトリート)

を提供する、「株式会社 森へ」という会社を

立ち上げ、現在に至っているということ

でした。

 

本では、そこから、さらに、

森での変化を促す大切な「鍵」や、

不思議な「サイン」の出現について、

お二人の対談が深まっていきました。

 

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とても面白いので、詳しくは、ぜひ

本をお読みいただきたいのですが…

 

とにかく、う〜〜〜ん!

やはり、人間には森や林が必要なんだわ!!

…と私は確信したのでした。

 

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そのとき、ふと、

お茶の先生のお宅のことが

思い浮かびました。

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(9月の先生のお宅)

 

どうして先生のお宅やお茶室が、

あんなに幸せを感じられる場所なのか…

 

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それは、ひとつには、

先生が、何十年も手塩にかけて

育てていらっしゃった紅葉の樹々が、

今ではとても高く伸びて、

すっぽりと家とお茶室を、

覆っているからに違いありません。

 

今では、人間はもちろん、

ツバメや、サワガニまで、

みんな先生のお宅に集まってきます。

 

そして、もちろん、その中心には、

先生ご夫妻の魅力的なお人柄と、

笑顔があります。

 

 

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(6月のお茶室)

 

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宇宙の秘密が、またひとつ、

解けた気分…!

 

 

それにしても、人間って、

つくづく不思議な生き物ですよね。

 

だって、利便性や、住宅や道路を優先して、

当たり前のように、樹を切り倒して、

軒並み、引っこ抜いてしまうんですよ。

 

そして、どこまでもどこまでも、家や町を

広げてしまう。

高速道路や高架を作って、

コンクリートの日陰を増やし、

排気ガスを充満させる。

 

樹々は、ますます遠のいてしまう。

 

 

本当は、大きな樹に囲まれているほうが、

安心できるし、ひらめくのに。

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今、アマゾンの野焼きが、

世界的な問題になっていますが、

日本人はとても、それを愚かだと

笑えない気がします。

 

確かに、管理が大変というのは

あるかもしれません。

 

でも、森や林の中にいるときの

あの大きな「安らぎ」を失っても、

「まあ、生きてはいけるんだから、

別にいいじゃん」

と切り捨ててしまって、

平気なふりをして暮らしているなんて、

やっぱり何かがおかしい。

 

逆に、樹がない不自然さを

見て見ないふりでもしていないと、

この、猛スピードで突っ走る社会には

とても付いていけなさそう…

 

それでは、心の病が増えるのは当然だよね。

都会暮らしの自分の生活を含めて、

人間って、ほんと、おかしなことをしている。

 

矛盾を抱えた生き物なんだな…

と思います。

 

 

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今後、日本の人口がどんどん減って、

住宅が余ったら、ジャングルみたいに

なるのかしら。

 

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荒れ果てたジャングルハウス達は

手に負えず、

大変なお荷物になるのかも。

 

そしたら、人の住まなくなった家は

いっそ壊してしまい、そこに樹を植えては?

 

ご紹介した本によると、

ネイティブアメリカン曰く、

人間は、森の「ケアテイカー」になるべきで、

上手に森を管理できれば、

とてもいい共存関係を築けるんだそうです。

 

今どきの最先端技術は、そこにこそ

生かされるべきなんじゃないでしょうか。

 

私みたいな都会のもやし人間でも、

縄文人みたいなケアテイカーになれるよう、

そんな技術と心のあり方を、

日本人一人ひとりが学べるといいなあ。

 

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今後、人類が幸せになれるかどうかは、

そこに「鍵」があるような気が

しています。

 

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さあ、森へ。

 

森へ行きましょう。

 

自分の中に、大きな樹を一本、

見つけた気がした2019年の夏。