新・東京イラストJournal

イラストレーターさくらみの日常絵日誌

スルメな映画、おすすめします♪(洋画篇)

今日は久しぶりに映画のおすすめです。

まずはこちら♡

   ↓

オデッセイ(字幕版)

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  • マット・デイモン
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…え?

なぜ今更、「オデッセイ」って?

 

まあ、きいてください。

 

☆スルメ映画ならではの味わい☆

 

私がこの映画を初めて観たのは、

まだコロナが流行る前の映画館でした。

 

「少し未来の火星探査で、火星に

 たった一人取り残されちゃった

 NASAの人の話」

と聞いて、これは面白そう!と、

ホイホイ出かけたのを覚えています。

 

見終わったとき、感じたこと。

 

「いい映画だったな。

 ちょっと地味だけど…」

 

そう!地味だなーと

思ったんですよね

 

何せ火星での、

割と「リアルな話」ですから。

 

宇宙服での作業はとても大変そうだし、

一人取り残されたわけですから、

他には誰もやってきません。

 

地平線の向こうは、火星ですもん、

赤い山しかなく、

もちろん、スターウォーズみたいに

宇宙戦争もないし、

宇宙人も出てこないです。

 

なので、のちにスターチャンネル

(スカパーの映画チャンネル)で、

久しぶりにこの映画が放送される

ことになったとき、

 

「あ、あの地味な映画か。

 まあ、もう一回観てみようかな」

くらいの感じだったんです。

 

ところが…

 

これが、あらためて見ると、

色々と、細かい工夫が多くて、面白い!

 

未来の設定とは言え、

かなりリアルな人間ドラマなので、

見れば見るほど、じわじわとくる。

 

すっかりハマって

NASAにお勤めだった人が

書いた原作の小説も読んでしまい

火星の作業の背景や、

細かい意味もあらためてわかって、

ますます映画が面白くなりました。

 

音楽もいいです。

実にいい!

 

特に、デビッド・ボウイ

Starman」が流れるところ。

 

やっと連絡が取れるようになった地球の

NASAの人たちや、

救出に向かう宇宙船のクルーたちや、

火星に残されちゃった主人公が、

 

毎日の中でのユーモアを忘れずに、

それぞれ、淡々と、

一歩一歩、できることを

やっていく姿。

 

そこに、けだるいボウイの声が

重なってきて、

 

だんだん盛り上がって、さらに

良い感じのギターが響いてきて

「ある日、スターマンが宇宙から、

 こんな事を語りかけてきたんだ」

みたいな感じの歌詞もあいまって、

なんかすごくよい!

 

結局、火星にいても、地球にいても、

人間が、起こった問題に対して、

できることは同じです。

 

逆に言うと、人間は、

どんな巨大なテーマにぶちあたっても、

 

自分に降って来た問題を

「よく見て」、

「手前のことから一歩ずつ」、

解決していけば、必ずだんだんと、

道が開けていく。ほどけていく。

 

たとえ、道半ばで命が尽きても、

そんなことはまったく関係ない。

だから、明るく、楽しく、前向きに

壁をぶち抜いて行こうぜ!

 

この映画は、そんなことを教えてくれます。

オデッセイ(字幕版)

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  • マット・デイモン
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「オデッセイ」(2016年の映画)

 

あと、この映画の良いところは、

小さなユーモアが散りばめられていて

面白いんですよね。

悲惨な展開を、どこまでも「明るく」進む。

 

だから、何回も見ても飽きない。

 

「地味だけど、良い映画」って、

やっぱりスルメですね。

噛めば噛むほど、ジワジワと

味が沁み出て来ます。

 

…思えば、

アメリカンエンターテイメント系の

分かりやすい映画が好きだった私も、

スターウォーズの最終話で

撃沈。。。

 

(いや、ごめんなさい。。。でも、

 やっぱり、あの終わり方は

 無いよなー…)

 

そこから、すこーし、

好みが変わってきたのかナ???

 

…って、

 

いやいや、イーサン・ハント

(=トム・クルーズ)も、

ジェイソン・ボーン

(=マット・デイモン

も、まだ生きている!

 

もうすぐ、トップガン2もやるから、

マーベリック(=トム・クルーズ)も、

まだ元気に生きている!

 

なので、まだまだ、

アメリカンエンターテイメント系への

希望は捨てていません!

 

が(笑)。

 

とにかく、スルメ系映画の侵食は、

これからもじわじわと

私の中で増えていきそうです。

 

☆他にもあるよ、スルメ系映画☆

そう言えば、

以前ご紹介したおすすめ映画も、

やっぱりスルメ系の映画が

多かったですよね。↓こちらの記事

sakura-cafe.hatenablog.com

 

まず、スルメ系作品として、

外せないのは、

ダウンサイズ (字幕版)

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  • マット デーモン
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ダウンサイズ」ですが、

これについてはもう十分に

語っていますので、

 

今日はこちら↓の作品について

触れてみたいと思います。

ジョジョ・ラビット」は、

ナチスが君臨した時代の、

ドイツの少年のお話。

 

兵隊さんごっこに夢中の、

どこにもいそうな男の子、ジョジョ

 

ウサギ一匹殺せない優しさと、

ビクビクの臆病さを持っているのに、

 

それをかくして「虚勢」を張り続ける

この少年に、

何人かの人が関わることで、彼は、

自然と成長していきます。

 

そう。人は…

 

人と出会うことで

変わっていくのよね。

 

お母さんと過ごす時間。

ユダヤ人の少女と過ごす時間。

ナチの制服を着ていても、

心は染まっていない軍人と過ごす時間。

 

とても大切な、二度とない、

人生のひととき…

 

それは、とても味わい深く、

キラキラ輝いて、

何度見ても心に残ります。

 

監督が自ら、ハチャメチャな

ヒットラー役を演じているのも

面白いですよ。

 

☆派手だけど、これもスルメ系映画では?☆

さて、ここまで

「地味だからこそジワる映画」

のご紹介でしたが、

スルメ映画でも、こってり系のをご紹介。

 

ご存知、クエンティン・

タランティーノ監督の映画。

イングロリアス・バスターズ

 

内容は、ナチスドイツへの反逆劇。

どうせなら

「ど派手にやっちまいますぜ!」

って感じで、コテンパにやっつけます。

 

女優さんが出てくるところは

とても華やかだし、

笑えるシーンも多く、

逆に切ないシーンでは、

劇的な音楽と相まって盛り上がり、

妙にクセになる、

独特の味わいがあるんですよね。

 

まず、監督がすべて選んでいるという

音楽が素晴らしく、こんなところで

こんな音楽が!という使い方が

されています。

 

よく批判される暴力的シーンも、

確かに、中途半端な描き方じゃない。

 

だけど、そもそも、

実際に史実にあったあの事件が、

もし、ここでこういう展開に

なっていたら…?という

あくまで「空想前提」の描き方。

 

なので、

これは一つの「表現だ」ということが、

見る方も作る方も、ちゃんと

分かる作りになっているんですね。

 

映画の良さと、音楽の味わいを

心底わかっている人が、

自由に作りきった映画。

 

それでいて、

誰にでもよく分かる説得力と、

コメディー要素も入っていて、

ほんと見事な芸術だなと思います。

 

ちなみに、派手さはありませんが、

同じくタランティーノ監督の

「ワンス・アポン・ア・

 タイム・イン・ハリウッド」

これも、ハリウッドの一時代の様子が

リアルに分かって面白い作品です。

 

こちらも、有名な

シャロン・テート殺人事件」をテーマに

史実と反対の顛末になるよう、

描いた作品で、作りとしては同じ。

 

どちらにも、あのブラピが、

妙に変な役(もちろん主役級の)

で出てくるのも、面白いです。

 

☆怖い系にもスルメ映画はあるよ♪☆

スルメと言えば、個人的には

ゾンビ映画も大好きです。

最近、すごく増えましたけど、

やっぱり増えた分、それぞれに 

独特の味わいがあります。

 

ソンビは、ソンビそのものが

人間の深ーいところに、

訴えかけざるを得ない、

不変のテーマを持った存在なので、

スルメ系になりやすいのでしょう。

 

図解:何故ゾンビは、ドラマを生むのか?

   「ゾンビジレンマ」の図↓

f:id:sakuramiyuki:20220211213555j:plain

ゾンビ映画は、人間なら、

 絶対に避けて通りたいことと、

 向き合わなければならない設定

 になっている)

 

では、

ゾンビ以外のホラー映画で、スルメ系は

ないのか?

 

ありますよ、なかなかの良作が!

スポンティニアス

スポンティニアス

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「スポンティニアス」

これは、スルメ系ホラーです。

 

ある日、高校で、クラスの一人が

何の前触れもなく、授業中に、

ポンッと弾けて、死んでしまいます。

 

席に残ったのは、飛び散った血だけ。

 

え?何?

何が起こったの!?

 

クラスの生徒は、びっくり仰天。

訳も分からないまま、とりあえず

お葬式に出て、悲しみに暮れます。

 

が、

 

その後また、同じクラスの子が、

何の脈絡もなく、突然、

ポンッと弾けます。

 

2度あることは3度ある。

3度あったら、4度、5度。

次々と弾けていくクラスメイト…

 

生徒も、親も、パニックです。

次は自分の番じゃないかとおびえ、

もちろん世の中も大騒ぎになって、

FBIが調査にやって来ますが、

原因は不明のまま、とりあえず

弾けて死なないように、開発中の

薬を飲んで過ごす日々…

 

さて、そんな異様な状況下ですが、

クラスの、ちょっと不良な女の子と、

いかにも素直で誠実そうな男の子との

間に「恋」が生まれます。

 

さて、その恋の行方やいかに?

 

…という、かなり変わったラブストーリー。

 

もちろん、

突然、弾け飛んでしまう「死」は、

基本的にはリアルな世界では、

あり得ません。

 

でも、この映画を見ていると、

「人はいつ死ぬか分からない」

という深いテーマが主軸を貫いている

ことが、だんだん分かってくるのです。

 

主人公の女の子の、

一見ぶっ飛んだ言動も、

ちょっと太めな体型も、

だからこそキュート!

その魅力を、ちゃんと見つけた男の子も

ステキだし、

その男の子のお母さんもステキ。

 

ステキな人に囲まれているんだと、

実感できた時の、驚き、幸せ。

 

でも、人生には「あらがえないこと」も、

いっぱいやって来ます。

それも、大抵、何の予告もなく突然に…。

 

その、誰にも訪れる「荒波」を

どう乗り越え、どう自分の中で

きらめきに変えていくのか。

 

「オデッセイ」と言い、

ジョジョ・ラビット」と言い、

「スポンティニアス」と言い…

 

スルメ系映画には、

そんな深いテーマが描かれている

ような気がします。

 

スルメ系映画、これからも

どんどん増殖してほしいな。

 

皆さんも、お時間があったらぜひ、

スルメ系映画、見てみてください。

じわじわっと、しみてきますよ!

 

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今日はもう一個、短いのを書いています。↓

東京の雪、2回目 - 新・東京イラストJournal

sakura-cafe.hatenablog.com