乳製品が食べられなくなって、
和食のチョイスが増える中で、
お蕎麦屋さんに、よく行くように
なりました。
地下にあるお蕎麦屋さんなんですが、
上からの陽ざしが差し込む
テラスみたいな場所が店の奥にあって、
そこに、色とりどりの造花が、
びっしりと飾られているのにビックリ。
テラスというと、
今どきカフェ風のおしゃれな
イメージが浮かぶと思いますが、
そこは真逆で、
一言で言うと、
昔のお風呂屋さんの中庭みたい。
ちょっと懐かしい、
不思議なカオス感が満載です。
「うわー、地下にこんな宇宙が…!」
と、とにかく、最初のうちは、
そこに度肝を抜かれ、
目を奪われていたのですが、
だんだんと慣れるにしたがって、
別の「あるもの」がお蕎麦屋さんの
空間を満たしていることに
気がつきました。
そして、その「あるもの」が
あまりにもステキで…
すっかり、そのお蕎麦屋さんに
ハマってしまいました。
その「あるもの」とは…
「お母さんパワー」です。
お店の給仕やレジをしてくださるのが、
70〜90歳代のおばちゃま
(おばあちゃま)たち。
狭い通路も何のその、注文を聞き、
お盆を持って届け、机を拭いて、
次のお客さんを呼び込みます。
テキパキと…ではありません。
ヨロヨロッとなったりもするし、
ゆっくりのんびりした雰囲気。
で、そのお母さん達の
何気ないお言葉が、またステキ。
例えば、私が親子丼を注文したときは
持ってきてくださったお母さんが
すごく嬉しそうに、
「ねえ、見て!すごく美味しそう〜♡」
と声をかけてくださいました。
普通は、なかなか
自分のお店の商品を、そこまで素直に
褒めませんよね?(笑)
もう、私は嬉しくなってしまい、
いただいている間中、クックックと
笑いが止まりませんでした。
他にも、レジに行くと、
この店のオーナーさんでもある、
最古老のお母さんが
「あなた、よく来てくれるわね。
スタンプカード、作ってあげる」
とニッコリ。
お釣りをくださる時も、
落とさないようにと、
手を丸ごと包んで、手のひらに
グーっと押し付けるように
渡してくださったり。
アメちゃんも、レジ横に、常に
スタンバイ。
あるとき、私が
「今日、初めて冷やしそばを頂いたら、
紅生姜が意外にマッチしていて、
すごくおいしかったです」
とご報告したら、
「そうなの? よかったわね〜」
と、背中を優しくトン。
ああー、何だろう…
めっちゃ癒される〜!!!
マニュアルじゃない、
お母さんの心が、存在が、
柔らかく私を
包みこんでくれます。
で、最近ハマっているのが、
この「冷やし揚げもちそば」です。
紅生姜や、大根おろし、
きゅうりの千切りや昆布が、
冷やしたお蕎麦と、すごく合う。
そして、合間合間に、
カリカリの揚げもち
を食べる時の幸せったら!
お母さん達の笑顔と相まって、
脳裏に刻み込まれてしまいました。
やっぱり、「人の力」ってすごいです。
そして、若い頃は、
あまり分からなかったのですが、
自分が年を取ってから出会う、
自分の母世代の方達が、元気で、
楽しそうにおしゃべりする姿。
その姿に、どれほど癒され、
元気をいただくか。
いつまでも元気でお店に
立っていただきたいなあと思うと
同時に、
自分も安心して、年を取って
行こうと思える。
ありがたいことだなと、
しみじみ思います。
さあ、また、
「おばちゃん蕎麦」に行こうっと♪