新・東京イラストJournal

イラストレーターさくらみの日常絵日誌

遠野で最終日に起こった、不思議な出来事

こんにちは。

無事に東京に戻って、2日が

たちました。

 

最後の日、出発前に、みんなで

記念撮影をしたのですが、その時、

画材一式と大切な学びのノートを

入れたトートバックを椅子に置き、

そのまんま忘れて帰るという

大ポカをやらかし…

 

最後までポンコツぶりを

露呈し続けた私でーす…

は、は、は!(だって…もう

笑うしかないもーん…笑)

 

上の絵は、昨晩、

その画材と大切なノート2冊が

戻ってきた喜びと共に

描いた絵です。

 

今日は、その、遠野の最後の日に

「起こったこと」

について書きたいと思います。

 

最終日、私は「今日はもう、

午後になったら帰るのだし、

午前中に短い、まとめのワークが

あるくらいかな〜」

と思っていました。

 

…違いました。笑

 

なんと、憧れのファシリテーター

ニシさんに、私がインタビューを

していただく、という、

大変、稀有な機会に恵まれたのです。

 

ニシさんと私は、程よい角度で

向かい合い、

 

その周りに、

一緒に講座を受けてきた6人の

旅の仲間が、ぐるりと座りました。

 

時刻は朝の8時45分。

 

同じ部屋では、おちょうさんという、

今回の私たちの旅の食事を

全部作ってくださった方が、

このあと10時からいただくお料理を

つくっている音

(水の音、お鍋の音、何かを刻む音、

 何かを炒める音など)

が聞こえてきます。

 

そして、始まったインタビュー…

 

ニシさんが関心を持ってくださった

テーマは、私が昨年、

「今ここにピッタリいる、

 という生き方を始めたあとで、

 そこから、どんな変化が

 あったのか。(それとも、

 なかったのか)

 そこから、どんな変化を続けて、

 今、どんな風に生きているのか」

ということでした。

 

最初はそろそろと、自分のお腹に

潜っていき、

その質問に答えるための言葉を

探すような感じから話し始めた

のですが、

 

次第にお腹の底からぐんぐん

話したいことが湧き出し…

 

湧き出して、湧き出して、

止まらない感じになりました。

 

そして、主に、仕事での変化など

について話していたので、

これは全く予想もできないこと

だったのですが…

 

なぜか、その先に、

12年前、母が突然亡くなってしまった

時のことが、ぽこっとつながって、

湧き出てきたのです。

 

その瞬間、感情が込み上げてきました。

 

もう12年前のことなのに、

12年前の気持ちに全く戻ってしまって…

 

泣いていました。

 

…いや、びっくりしましたね、ほんと…

 

人前で泣くなんて、

誰かのお葬式の時以外、たぶんもう、

絶対にないと思って生きてきたのに。

 

そして、泣きながら、絞り出すように

言葉を続け、

 

その全てを、受け止めながら

聞いてくださっているニシさんや

耳を澄まして話を聞いてくれている

仲間たちの中にいたら…

 

今度は、だんだんと、

 

自分が今、

楽しくて楽しくてたまらない毎日

の中で、イキイキと絵と

向き合えている、ということに、

話の方向が、自然と伸びていったのです。

 

そして、クライマックス!

 

これは、あとで逐語録を書き起こして

みて、初めて分かったんですが、

その話の一番最後に、

ニシさんは万感の思いをこめて

「いいじゃん!」と、感情たっぷりに、

反応してくださったんです。

 

「いいじゃん!」

 

これには私も嬉しくて、

 

自分のことなのに、

「わ、本当にいいじゃん!…本当に!!」

と思わず声が出ていて、

 

最後には、ニシさんと

声を合わせてアハハと笑っていました。

 

あれは…一体、何が起こったのか…

 

本当に不思議な体験でした。

 

時間にして20分くらい、

インタビューをしてくださった

ニシさんは、基本的には、

私の感情に寄り添って、うんうんと

話を聞いてくださっただけ。

 

私が悲しい時は、一緒に、

ただ悲しみに寄り添ってくださり、

 

私が嬉しいときは、一緒に

笑いながら話を聞いてくださっただけ。

 

いや、正確に言うと、ここには、

今回の合宿で、私も何度か

「聞き手」側に挑戦してみて、

まったくできなくて苦労する中で

初めて知った、

今までにはやったことのない、

簡単にはできない、

深い「きき方」の状態、技術など、

濃密なものが、

ぎっしり詰まっていたのですが、

 

それは「話し手」側の私には、

まったく意識に登ることはなく、

 

ただ、話していくうちに、

自分でも知らないうちに沈めていた

お腹の底の底にあった気持ち…

 

「母を失ったときの悲しみ」と、

何かシーンとした場所で、ひたひたと

向かい合っていたのです。 

 

それは、まるで、自分の中にある、

深い湖の底を覗き込んだような…

 

もう、12年も前のことなのに…

 

私の中には、母への想いが

そのまんまパッケージされているんだ…

 

そして、そこから再び、

この光り輝く「今」という、

全てが解放された世界に

戻ってきて、

 

その時、

私は自分が、今ここで、

本当にイキイキと生きていること、

 

それを、母に見てもらって、

「ほら、私は、あなたがいなくなって

 しまったあとも、

 こんなに元気に生きているよ!

 だから、安心して、見ていてね」

って全身で伝えているんだって、

 

そうやって、今を、毎日を、

生きているんだってことを、

思い知ったのです。

 

そしたら、母が嬉しそうに私を

見ている時の顔が思い浮かんできて、

 

また涙が止まらなくなって…。

 

…人に話を「きいてもらう」って

なんて深くて、なんて、

ありがたいことなんでしょうか。

 

そして、

人の話を「きく」って、

なんて奥深いことなんでしょうか。

 

今回の遠野のワークショップは

「きく」ことだけに注力してきたので、

最後にまさか、自分が話を

「きいていただく」側に回るとは、

夢にも思いませんでしたし、

聞き手の存在が、その方の反応が、

いかに大きいか、心と身体を通して、

体験させていただくことになりました。

 

ニシさんは、この20分間、

私の気持ちに、そっとそっと、

影のように寄り添い、

 

…そしてね、最後の方に、

とっても印象的な、ステキな言葉の

プレゼントをしてくださったんです。

 

それは、ニコニコ、ニコニコしながら、

「…なるほど、そんな風に

 生きてらっしゃるんだ…。

 …なんか、その、私からすると、

 『窓の開いている部屋』って感じ。

 いろんなものがこう、入ってくる、

 開かれた部屋って言うか…」

と言ってくださり、

 

「…別の言い方をすると、さくらさんの、

 なんかこう、毎日絵を描いていて、

 自然界みたいなものが、すごいこう

 フサフサした…

 フサフサした状態になっている

 っていう…」

と言ってくださったんです。

 

これは、後になって、逐語録を

書き起こしたことで、改めて

ハッキリと思い出せたのですが、

 

いや、もう、

こんなステキなプレゼントって、

この世にありますか??(笑)

 

気持ちのいい風が、まさに

スーッと、

 

真っ白な薄いカーテンを

フワッと揺らしながら、

私の心をスーッと通り抜けていき…

 

私は「窓の開いている部屋」になった

自分を感じました。

 

それから私は、ずっと、

「窓の開いている部屋、

 窓の開いている部屋、

 開かれた部屋……

 うん、うん、開かれた部屋なんだ……」

とか、

 

「フサフサ、フサフサ、フサフサ…

 フサフサ…ね、うふふふふ」

という感じで、

 

その言葉を口にしながら

何度も感覚を味わっています。

(ちょっと変な人になっている!笑)

 

はー…

 

皆さん、人生って…

 

人間って、いいものですね、本当に。

 

人の話に耳をすまし、横に座って、

一緒にその人の心の風景を眺める…

 

すると、聞き手も、話し手も、

ポッと、それぞれの「いのちの炎」が

燃えたち、

その瞬間、くっきりと

それぞれの「その人らしさ」が

浮かび上がる…

 

話を「きき」、「はなす」ことによって、

どんどん、人は、

その人らしくなっていく。

 

旅の終わりに、そんな奥深い体験を

させていただきました。

 

そして、周りに座って、じっと

耳を傾けてくださっていた、

旅の仲間たちの気配にも、

 

お料理に集中しながらも、なんとなく

耳を傾けてくださっている

おちょうさんの気配にも、

 

話している間中、

ずーっとずーっと、励まされている

感覚がありました。

 

今思うと、あれは一種の「円座」

(非構成的エンカウンターグループ)

というものだったのかな…

 

(追記 あとで伺った話ですが、

 この時、お馬さんたちも、

 建物の窓の、すぐそばに

 集まってきていたんだそうです。

 私は背中を向けていたので分から

 なかったけど、

 円座に参加してくれてたのかな。

 お馬さん、とても勘が鋭いんだ

 そうです)

 

そんなわけで、

私は今、ふっくらとふくらんで、

窓の開いた部屋を、

風が通り抜けていく気持ち良さと共に、

ゴールデンウィーク明けの現実を

生きています。

 

 

今度は…

 

これからは…

 

あなたのお話に、

そっと寄り添う「きき方」を

私自身ができるよう、

遠野での4泊5日間を抱きしめながら、

特訓し、「きく」「はなす」の回数を

重ねていきたいと思います。

 

皆さん、どうぞ、たくさんお話、

聞かせてくださいね。

 

さて、ところで、

ニシさんって、どんな方なんでしょう?

 

皆さん、きっと、すごく気になってますよね(笑)

 

ニシさんの「note」、こちらです。

note.com

 

ちなみに、

私が今回参加させていただいたのは、

「インタビューの教室、7つの逐語録」

(実際には6人でしたので6つの逐語録)

というものでした。

 

皆さんも、ぜひ、機会を見つけて、

ニシさんのワークショップに

参加してみてください。

 

「きく」「はなす」の奥深さはもちろん、

他にも、たくさんの興味深い

ワークショップ、インタビュー、

著作活動などをされています。

 

遠野よ… ここで一区切り、

しばしのお別れです。

 

ありがとう、ニシさん!

ありがとう、遠野で出会った

旅の仲間たち!

 

ありがとうございました。

 

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