新・東京イラストJournal

イラストレーターさくらみの日常絵日誌

色の階段が、どこまでも伸びているという幸せ

昔、一人で、一冊の本を

作ろうとしていた時期があったのですが…

 

あれは、なかなか辛かったな。

 

完璧を目指してグルグルしてしまって。

 

自分の中の魔物みたいなものを

超えていかなきゃいけなくて。

 

もちろん、いくつかの編集部にも

持ち込んだんだけど、

 

いつも最後のオッケーが出なくて。

 

途中で、割と簡単に

「わざわざ本にしなくてもいい」と

ギブアップを決めちゃって、

 

すでに完成していた部分だけ、

ホームページで公開してしまいました。

 

そのおかげで、その後、たくさんの

楽しいお仕事がやってきたので、

やっぱりそうして、良かったんですね。

 

今分かるのは、

あれは、いわゆる「バカの壁

だったんだな、ということです。

 

バカの壁」とは、「唯識の壁」

 

それは、自分が

世界を「二元」に分けたからできた「壁」

 

「目標、理想」を決めつけたゆえに

立ちはだかった「壁」です。

 

 

今は、絵の描き方が、まったく逆に

なってしまったので、

 

つまり「目標を持たずに、

ただ、今を楽しんで描く」

ということが、

何よりも最優先になってしまったので、

 

「壁」もない。「理想」もない。

「本」もない。

 

もっと言うと、

「うまい、下手」もない。

 

すごい自由!!!

 

そうすると、ウソみたいに、

絵を描くことが楽しい。

 

絵を描くことが、私自身だと感じる。

自分の生き方そのものだと感じる。

 

こんな時が、自分にやってくるなんて

思いもよらなかったなあ。

 

これほど幸せなことってないです。

そして、今ここ最先端には、

不思議なワクワク感が、

いつも、そっと一緒にあります。

そっとね…